生活保護の自立支援プログラム

5月14・15の2日間、市民福祉常任委員会では、生活保護自立支援プログラムについて、先進事例である釧路市へ視察に行ってきました。
釧路市は、平成17年に釧路市、阿寒町、音別町の3市町が合併、かつては炭鉱と漁業で栄えたところです。しかし、炭鉱の閉山や漁獲量の減で、現在は完全失業率は8.9%、同若年層が12.4%となっています。生活保護も急増し、受給率は5.56%。母子世帯も多いそうです。人口18万人強の市でで受給者は1万人超、市のケースワーカーは約100人!
なお、厚木市の人口22万4千人で保護率は1.21%、ケースワーカーは24人です。

釧路市役所内

一口に自立支援といっても、対象となる人の状況はいろいろです。長い間働いていない人、全く働いたことの無い人もいます。急に「仕事をしろ」といわれても、そう簡単に働けない。
そこで、中間的就労として稼働収入からボランティアまで多様な働き方を進めています。

日常生活意欲向上支援では母子家庭を対象にNPO法人の協力でサロン、料理教室、就職準備講習会などへ参加を働きかけ、日常生活の自立を促します。

さらに、就業体験的ボランティアにより社会生活自立ができるようにしていきます。公園での花壇整備、動物園で動物のえさ作り、障がい者作業者や介護施設、病院、スポーツ施設でのボランティアをすることで、生活のリズムができ、自分が役に立ち自分の価値を確認できることで、就労に繋がることも多いそうです。

就業体験では、就労に不安のある人に授産施設や農園での作業体験があります。

そして、就労支援プログラムになるのですが、多くの自治体でやっているのが、就労支援員活用就労支援です。釧路ではこの他にも様々なプログラムがあります。生業扶助による資格取得プログラムでは、介護ヘルパーや自動車免許の取得など、就労のスタートラインに立つための支援もあります。

他にも、多重債務者やDV被害者を対象にしたもの、託児支援、成年後見制度活用などがあります。また、中学3年生の親への高校進学支援、中学生を対象にした高校進学希望者学習支援も含め、個別プログラムは24。委託事業者は最初はなかなか見つからなかったけれど、今は15か所に増えています。

ここは、高校進学希望者学習支援プログラムを行っている場所「冬月荘」。
釧路新聞の記者とし、て釧路に2ヶ月半暮らした啄木の歌碑が近くにあります。
しらしらと氷かがやき千鳥なく 釧路の海の冬の月かな
冬月荘

生活保護といえば「不正受給」ばかりが取り上げられがちで、市民からの苦情が大変多い部署です。以前は釧路でも「税金で酒を飲んでる」「パチンコしてる」「車を持っている」など、市民からの電話が多く、職員のメンタル面での問題が起きていました。ところが、これらの支援プログラムを始めて10年経ち、市民にも知られてくるようになると、苦情の電話が無くなってきました。自ら志願して福祉事務所に戻る職員も出るのだそうです。
管理的な扱いをするのでなく、受給者とケースワーカーが一体となって進めて行くことで、効果は大きいようです。

釧路市にはこの自立支援プログラムでの視察が年間80件ほどあるので、生活福祉事務所が、市の稼ぎ頭となっているとか。
この取組を扱った本も出版していて、増刷して視察者にも売っています。当初売れると思わず版権を取らなかったので、たくさん売れても市の収入にはならないと、残念がっていました。
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  1. 2013/05/27(月) 16:20:56|
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