行政の最重要課題は、教育!―全国市議会議長会研究フォーラムにて①

第7回全国市議会議長会研究フォーラムin松山

10月10・11日の2日間、愛媛県松山市で第7回全国市議会議長会研究フォーラムが開催され、全国から2800人の市議会議員が集まり、議会の在り方について学習しました。その報告です。

最初は基調講演「地方自治の課題と議会のミッション」、講師は片山善博氏(前総務大臣・慶應大学義塾大学教授)です。
講師:片山善博氏

義務教育と議会
行政で、一番大事なものは何か―教育である。
かつては市町村の教育長は県の承認が必要だった。2000年から教育長は互選になり、国・県の責任は言えなくなった。自治体の教育についての責任者は誰ですか―教育長です。教育委員の任命は誰の責任ですか―議会の同意による。議会の責任は非常に大きい。
今、いじめや不登校などの問題で教育委員会不要論まで出ているが、教育の問題を議会は黙視していいのか。
フィンランドでは市が教員のメンタルケアの専門家を配置している。日本の現場でも、望む声がある。
首長で、イベントをよくやる人がいる。そんなことに金をつぎ込むんなら、教育現場につぎ込め。どう見ても価値観が転倒しているんじゃないか。教育は市町村の管理運営の責任がある。単独事業として、優先的に取り組んでもいい。
教育現場で非正規化が進んでいる。座視していいのか、大問題だ。
かつて教職員給与費の半分は国、残りは交付税だったが、三位一体会改革で国が3分の1になった。市町村の自由度が増すという事は、教育費を減らす自由度を増やした。900万円でベテラン教員一人だが、非正規なら300万円、この差600万円、そのうち400万円は交付税でインマイポケット。正規一人を非常勤にすると400万円儲けることになる。
教師が子どもと向き合う時間をもっと増やすべき。そのためには教員を増やさなくてはいけない。1クラスの人数を少なくして、教育現場にゆとりを。正規を非常勤にすると正規はますます忙しくなる。
教育委員を日当制にしているところがある。大津市も日当制にして「行革だ」とやった。安かろう悪かろうになる。事件が起きると「そんなつもりでなったんじゃないんです」と逃げ隠れするようになる。
時間的に余裕のない人はダメです。情熱と体を張る元気な人がならないと。いい加減な選任同意ではいけない。「教委がダメだ」と言うが、任命した人の責任。いろんな委員がいるが特に教育委員を吟味してください。議会に本人を呼んで「教育にかける見識を持っていますか」と聴聞する。なまなかなことではできなくなる。それなりの報酬を出さなくてはならない。

         俳句のまち・松山。いたる所に句碑

「地域主権改革」と議会
地方主権改革が言われるが、急激に変わるものではなく、遅々として進んできた。現状の制度の中で独自にやれることは多く、やるべきことはもっとあるのではないか。

首長のパフォーマンスと議会の役割
二元代表制の首長と議会。議会は最終決定権を持っている。
最近、首長が目立つようになっている。世間の人はなんでも首長が決められると錯覚している。
自分が知事をしていた時に議員立法で地域の問題を解決したら、住民が「知事さん、ありがとう」という美しき誤解もあった。
最終的に決定権のある議会がかすんでいる。首長は一人で、当たり外れがある。はずれのほうが多い。議員は大勢いる。平均化してまともな合議体になる。大きな問題にならないように、急ではないにしても前に進んでいくように。

市民に開かれ、市民に信頼される議会
開かれた議会といって議会報告会をよくやるが、決めておいて説明するのでは住民は納得しない。相談してから決めるほうがよい。決める前に公聴会などいろんな意見を聞く場を。
今、民主党は評判が悪いが、オスプレイも原発も、決めた後で話すからだ。
民主主義とは、決める前にいろんな意見を聞くことであり、時間がかかるものだ。
最終決定権は議会である。行政の監視機能を含め本来の役割を果たしていくべきだ。

  *   *   *   *
会場近くの公園で
9月議会最終日の10月5日に教育委員の選任が議題としてあり、釘丸議員が発言したばかりだったので、大変興味深く聞きました。議会改革が叫ばれる中、現行の制度でできることがたくさんあること、また議会の役割が多方面にわたることを再認識し、議員としての一層の自覚を促される講演でありました。
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  1. 2012/10/15(月) 14:35:51|
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  1. 2012/10/28(日) 22:37:28 |